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ステンドグラスのお手入れ|してはいけない三つのこと

正しく扱えば100年もちます。ふだんは乾いた柔らかい布だけで十分です。ガラス用洗剤を吹きかけるなど、よかれと思ってした手入れが寿命を縮める例と、修理が必要な症状の見分け方をご説明します。

ステンドグラスは、正しく扱えば100年もちます。実際、私どもが扱う英国ヴィクトリア時代のアンティークは、100年以上前に作られて、いまも使われているものです。

その一方で、よかれと思ってしたお手入れが、寿命を縮めてしまうことがあります。ここでは、していただきたいことと、していただきたくないことを分けてご説明いたします。

ふだんのお手入れは、乾いた布だけで十分です

結論から申し上げます。柔らかい乾いた布で、そっと拭いてください。それだけです。

ステンドグラスは、ガラス片をケイム(鉛のリード線)でつなぎ、その交点を半田で固定して作られています。表面は平らではなく、ガラスと金属が交互に並んだ凹凸のある面です。ここが板ガラスと決定的に違うところで、お手入れの考え方も変わります。

ほこりが気になるときは、毛の柔らかい刷毛やハンディモップで払っていただくのも良い方法です。ケイムの際に溜まったほこりも、これで落ちます。

してはいけないこと

一.ガラス用洗剤を吹きかける

最も多い失敗がこれです。市販のガラスクリーナーには、鉛や半田を傷める成分が含まれていることがあります。アンモニアを含むものはとくに注意が必要です。

吹きかけた液は、ガラスの上を流れてケイムの際に溜まります。そこに留まり続けることで、金属の表面を侵していきます。すぐには分かりません。数年かけて、じわじわ進みます。

どうしても汚れを落としたい場合は、固く絞った布で水拭きし、すぐに乾いた布で水気を取ってください。洗剤を直接ステンドグラスに吹きかけることは避けてください。

二.強く押す、力を入れて拭く

ケイムはやわらかい金属です。強く押すと、わずかに変形します。一度や二度では分かりませんが、繰り返すとガラスとの間に隙間が生まれます。

とくに面の中央付近は、周囲を支えられていない分、力が逃げません。拭くときは面を押さえるのではなく、なでるようにお願いいたします。

三.研磨剤やメラミンスポンジを使う

汚れが取れないときに手が伸びがちですが、これは避けてください。ガラスの表面に細かい傷が入り、曇ったように見えるようになります。手吹きガラスやアンティークガラスは表面に微妙な起伏がありますので、傷が目立ちやすくなります。

絵付けが施されたガラスの場合は、さらに深刻です。絵付けは表面の層ですので、削れば消えます。取り返しがつきません。

経年で起こることと、放っておいてよいこと

ケイムが黒ずんでくる。これは自然な変化です。鉛の表面が空気に触れて酸化したもので、内部まで進むものではありません。むしろこの黒ずみが、色ガラスの輪郭を引き締めます。無理に磨いて銀色に戻す必要はございません。

色が変わらない。これも申し上げておきます。ステンドグラスの色は、塗料ではなくガラスそのものに入っています。日に当たり続けても退色しません。100年前のガラスがいまも同じ色をしているのはそのためです。

これが出たら、ご連絡ください

次の症状は、お手入れでは解決しません。放置すると進みますので、早めにご相談ください。

面が波打っている。ケイムがゆるみ、自重でパネル全体がたわんでいる状態です。長く使われたステンドグラスに起こります。放っておくとガラスが動き、いずれ割れます。一度解体してケイムを組み直せば直ります。

ガラスがカタカタ動く。ケイムとガラスの間に隙間ができています。振動が加わる建具では、そこから割れが始まります。

ひび、欠け。一枚だけの交換ができる場合があります。周囲のケイムを開いて入れ替える作業です。アンティークガラスの場合は同じものが手に入りませんので、近い表情のガラスを探すことになります。

修理についてはステンドグラスの修理・修復にまとめております。当スタジオで制作したものに限らず、承っております。

まずは現状の写真を

気になる症状があれば、全体の写真と、気になる箇所に寄った写真を各一枚お送りください。修理が必要な状態か、様子を見てよい状態かをご返答いたします。

ご相談はご相談・お見積もりより承っております。

FAQ

よくあるご質問

相談前に図面は必要ですか?

図面がある場合は、建具寸法、平面図、立面図をご共有ください。図面が未確定の場合でも、参考写真や設置予定場所の寸法をもとに初期相談が可能です。

アトリエの見学は予約が必要ですか?

いいえ、完全予約制ではございません。定休日以外は営業しております。

ただ、現場や打ち合わせで留守にしていることがございます。ご来店の前にご一報いただけると確実です。お電話でもメールでも構いません。

アトリエでは、制作中のもの、ガラスの在庫、英国ヴィクトリア時代のアンティークの実物をご覧いただけます。

寺社仏閣の案件も相談できますか?

可能です。空間の歴史性や光の入り方を踏まえ、慎重に計画します。

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