Case Study

京都府 洋食店エントランスのステンドグラス

商業ビルに入る洋食店で、エントランスのステンドグラスを制作・設置した施工事例です。名物のオムライスからフライパンと卵をモチーフに起こし、外光の入らない場所のため背面にLEDを納めました。入口まわりと店内の改装もあわせて手がけています。

改装後の洋食店エントランスを正面から見た様子。白い壁と無垢材の枠に替え、左にオリーブの鉢、右の壁に背面から照らしたステンドグラスを掛けている

京都市の商業ビルに入る洋食店で、エントランスにステンドグラスを制作・設置した事例。名物のオムライスからフライパンと卵をモチーフに起こし、外光が入らないため背面にLEDを納めた。枠はアンティークのものを流用し、入口まわりと店内の改装もあわせて実施。

地域
京都府京都市
用途
店舗(洋食店)
設置場所
エントランス正面の壁
サイズ
枠外寸:幅450mm×高さ740mm
制作期間
設計から設置まで約3週間

コンセプト

名物のオムライスからフライパンと卵をモチーフに起こし、看板を掲げずに業種が伝わる一枚とする。外光の入らないテナントのため背面から照らし、営業時間を通して同じ色が出る状態をつくる。

設計背景

建物内のテナントで外光が入らないため、ステンドグラスの背後にLEDを納め、ガラスの厚みと色の濃さに合わせて光源との距離と拡散を決定した。
枠はアンティークのステンドグラスに用いられていたものを流用し、経年で剥がれた塗装はそのまま活かしている。
一枚だけでは既存の内装に負けるため、入口左側の壁、入口の枠、店内の照明、店内のディスプレイまで含めて設計し直した。

工事の詳細

京都市内の商業ビルに入る洋食店から、エントランスのご相談をいただきました。ステンドグラスの制作・設置に加えて、入口まわりと店内の改装もあわせて手がけております。

改装前のエントランス

改装前の洋食店エントランス。濃い緑の壁面に食品サンプルのショーケースが置かれ、右の壁にはメニューの写真パネルが掛かっている
改装前。濃い緑の壁面と食品サンプルのショーケースで構成されていた。

飲食店として不足のない入口です。ただ、ここに一枚だけステンドグラスを掛けても、周囲の色数と情報量に負けてしまいます。一枚を効かせるには、背景から整える必要がありました。

名物から、図案を起こす

このお店の名物は、オムライスでした。そこで図案は、フライパンと卵をモチーフに構成しています。

洋食店エントランスのステンドグラスの接写。アンバーの菱形格子を背景に、緑の楕円のなかへフライパンと卵をモチーフに構成している。白く塗装されたアンティークの枠に納めている
緑の楕円の中にフライパンと卵。文字は入れていない。

文字は入れておりません。それでも、前を通った方には何の店か伝わります。看板にせず、意匠として成立させながら業種を伝える——ここが店舗のステンドグラスで最も考えるところです。

背景はアンバーの型板ガラスを菱形の格子に組み、縁に小さな色ガラスを散らしました。全体はアンティークな雰囲気でまとめています。モチーフが現代的な図形にならないよう、線の取り方と色数を抑えました。

外光のない場所に、光をつくる

建物内のテナントですので、外光はまったく入りません。ステンドグラスは光が通り抜けるときに色が生まれるものですから、そのまま壁に掛けても色は出ません。

そこでステンドグラスの背後にLEDを仕込みました。光源が近すぎると粒が透けて面が均一になりませんので、ガラスの厚みと色の濃さに合わせて距離と拡散のさせ方を決めています。

結果として、開店から閉店まで、設計したとおりの色が出ます。日照に左右される住宅の窓とは違い、店舗ではこの安定が求められます。

アンティークの枠を流用する

枠は新調しておりません。アンティークのステンドグラスに用いられていた枠を流用しています。

白い塗装は経年で剥がれ、木肌がのぞいています。これは補修せず、そのまま活かしました。長く使われてきた木の色と艶は、新材では出せません。設置した初日から、そこに何十年もあったような佇まいになります。

当スタジオがアンティークのステンドグラスを扱っているため、ガラスだけでなく枠も手元にあります。枠が先にある場合は、その寸法に合わせて開口とガラスを設計するという逆の進め方になります。

入口まわりと店内も、あわせて設計する

改装後の洋食店エントランスを正面から見た様子。白い壁と無垢材の枠に替え、左にオリーブの鉢、右の壁に背面から照らしたステンドグラスを掛けている
改装後。色数を減らし、素材の質感で構成し直した。

改装の範囲は、入口左側の壁、入口の枠、ステンドグラスと背面のLED、店内の照明、店内のディスプレイです。

壁を白く塗り替え、開口の枠を無垢材に替えました。足元にはオリーブを置いています。色数を減らし、素材の質感で構成し直したということです。背景が静かになったぶん、ステンドグラスの色だけが浮かび上がります。

改装後の洋食店エントランスを斜めから見た様子。無垢材の枠の出入口と、その右手に背面から照らしたステンドグラスが並んでいる
通路を歩いてくる方向から。無垢材の枠とステンドグラスが並んで目に入る。

店内の照明とディスプレイも調整しております。入口から見えた奥の明るさが、そのまま入りやすさになります。外から様子がまったく分からない飲食店には、初めての方は入りづらいものです。

同じようなご相談を検討されている方へ

店舗のステンドグラスについての考え方は店舗にステンドグラスを入れるとき|光の入らない場所をどうするかにまとめております。

ステンドグラスだけをご依頼いただくこともできますし、まわりを含めてご相談いただくこともできます。「この一枚を、どうすれば一番きれいに見せられるか」という観点でご提案いたします。設置できる場所と工法はステンドグラスの設置場所と工法をご覧ください。

FAQ

よくあるご質問

相談前に図面は必要ですか?

図面がある場合は、建具寸法、平面図、立面図をご共有ください。図面が未確定の場合でも、参考写真や設置予定場所の寸法をもとに初期相談が可能です。

アトリエの見学は予約が必要ですか?

いいえ、完全予約制ではございません。定休日以外は営業しております。

ただ、現場や打ち合わせで留守にしていることがございます。ご来店の前にご一報いただけると確実です。お電話でもメールでも構いません。

アトリエでは、制作中のもの、ガラスの在庫、英国ヴィクトリア時代のアンティークの実物をご覧いただけます。

寺社仏閣の案件も相談できますか?

可能です。空間の歴史性や光の入り方を踏まえ、慎重に計画します。

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当スタジオでは、こだわりの住宅・マンション・別荘・商業空間・寺社仏閣に向けた完全オーダーメイドのステンドグラスをご提案しています。建具寸法、平面図、立面図、参考写真をご共有いただくと、より具体的な検討が可能です。