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英国ヴィクトリア時代のアンティークドアを、日本の住宅に納める

100年前の英国のステンドグラスドアは、そのままでは日本の開口に入りません。寸法調整の三つの方法と、ケイムの組み直しが必要になる理由をご説明します。

100年前の英国の家で、実際に使われていたステンドグラスドア。それを日本の住まいに納めることができます。

ただし、そのまま取り付けられることはまずありません。英国と日本では、住宅の開口寸法がまったく違うからです。このページでは、アンティークドアを日本の住宅に納めるとき、実際に何をしているのかをご説明いたします。

新しく作るのとは、まったく別のものです

まず前提として、当スタジオがお引き受けするドアには三つの道があります。既存のドアのガラスを入れ替える。ドアを新しく制作する。そして、英国ヴィクトリア時代のアンティークドアを迎える。

三つめだけは、性質が違います。新しく作るものは、図案も寸法もご希望どおりに決められます。アンティークは逆で、すでにそこにあるものを、住まいの側が受け入れるという関係になります。

その代わりに手に入るものがあります。いま製造されていない製法のガラスです。手吹きの気泡、わずかな厚みのむら、経年で深まった色。同じものを新しく作ることはできません。技術の問題ではなく、そのガラスを作る窯が、もう存在しないからです。

英国のドアは、日本の開口に入らない

実務上、最初にぶつかるのがこれです。英国の住宅は天井が高く、ドアも縦に長いものが多くあります。一方、日本の住宅の開口はそれより低く、幅も狭いことがほとんどです。

したがって、そのまま吊り込めるケースはごくまれです。多くの場合、次のいずれかで対応いたします。

一.ドアの寸法を詰める。框(かまち)を切り詰めて、開口に合わせます。ただし切れる範囲には限りがあります。框を切りすぎると強度が落ち、意匠の均衡も崩れます。

二.ステンドグラス部分だけを取り出し、新しいドアに納める。アンティークのガラスを活かしながら、建具は日本の開口に合わせて制作します。この場合、ガラスの寸法に合わせて建具を設計できますので、無理のない納まりになります。

三.開口側を調整する。枠を作り替えて、ドアに合わせます。壁に手を入れることになりますので、リフォームや新築でなければ現実的ではありません。

どれを選ぶかは、現物の状態と設置場所の条件で決まります。先に開口寸法をお知らせいただければ、その寸法で納まる個体があるかどうかからご案内できます。

ケイムの組み直しが必要になることがあります

100年使われてきたステンドグラスは、ケイム(鉛のリード線)がゆるんでいることがあります。鉛はやわらかい金属ですので、長い年月のあいだに自重でわずかに伸びます。パネル全体が波打っているように見える状態です。

この状態のまま設置いたしますと、開閉の振動でガラスが動き、いずれ割れます。そのため一度すべて解体し、ケイムを新しく組み直すことがあります。ガラスは元のまま、骨格だけを入れ替える作業です。

寸法調整を伴う場合も、この組み直しが必要になります。アンティークの費用が現物によって変わるのは、この作業量が個体ごとに違うからです。写真だけでは判断できず、現物を見て初めて分かる部分があります。

「同じものをもう一枚」はありません

アンティークをお選びになる場合、この点だけはご承知おきください。気に入った一枚があっても、二枚目は存在しません。両開きのドアにしたい、隣の部屋にも同じものを、というご希望には応えられないことがあります。

そういう場合は、アンティークのガラスを部分的に使い、周囲を新しく制作した図案で構成する方法をご提案しております。京都府の事例では、英国ヴィクトリア時代のデザインをアレンジして新たに図案を起こし、一部に当時のアンティークガラスを用いました。新しく作りながら、時を経たような深みを持たせる考え方です。

くわしくは京都府 リビング用ステンドグラスドアの制作・設置をご覧ください。

まず、開口寸法をお知らせください

アンティークのご相談は、他の二つとは順番が逆になります。図案から入るのではなく、納まる寸法かどうかから始まります。設置予定の開口の高さと幅、それに設置場所のお写真を一枚お送りください。

ドアへの施工全般はステンドグラスドア、既存住宅への納め方は後付け施工、費用の考え方は価格にまとめております。まずはご相談・お見積もりより、お気軽にお声がけください。

FAQ

よくあるご質問

相談前に図面は必要ですか?

図面がある場合は、建具寸法、平面図、立面図をご共有ください。図面が未確定の場合でも、参考写真や設置予定場所の寸法をもとに初期相談が可能です。

アトリエの見学は予約が必要ですか?

いいえ、完全予約制ではございません。定休日以外は営業しております。

ただ、現場や打ち合わせで留守にしていることがございます。ご来店の前にご一報いただけると確実です。お電話でもメールでも構いません。

アトリエでは、制作中のもの、ガラスの在庫、英国ヴィクトリア時代のアンティークの実物をご覧いただけます。

寺社仏閣の案件も相談できますか?

可能です。空間の歴史性や光の入り方を踏まえ、慎重に計画します。

Case Studies

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