Journal

框戸とフラッシュ戸の見分け方|ガラスを交換できるドアの判定

室内ドアは框戸とフラッシュ戸に分かれ、ステンドグラスへの交換可否はこの違いでほぼ決まります。道具なしで見分ける四つの方法をご紹介します。

「うちのドアのガラス、ステンドグラスに替えられますか」——このご質問にお答えするとき、私どもがお写真で最初に見ているのは、デザインでも寸法でもございません。そのドアが「框戸(かまちど)」か「フラッシュ戸」か、です。

この違いで、交換できるかどうかがほぼ決まります。しかも道具なしで、見ただけで判別できます。ご相談いただく前にご自身で確かめられるよう、その方法を書いておきます。

室内ドアは、構造で二種類に分かれる

框戸(かまちど)。四方に「框」と呼ばれる太い枠材を組み、その内側にガラスや鏡板をはめ込んだ構造です。木を組んでつくる、昔ながらのつくり方の戸だとお考えください。ガラスは框の溝に落とし込み、「押縁(おしぶち)」という細い棒で押さえて固定されています。この押縁はネジや釘で留まっているだけですので、外せばガラスを取り出せます。框戸であれば、ステンドグラスへの交換はほぼ可能です。古い日本家屋の建具や、輸入住宅のドア、デザイン性の高い造作建具は、多くがこの構造です。

フラッシュ戸。骨組みの上に合板などの面材を貼り、表面を平らに仕上げた戸です。内部は空洞か、軽い芯材が入っています。一九七〇年代以降の建売住宅やマンションの室内ドアは、大半がこの構造です。安価で軽く、大量生産に向いているためです。フラッシュ戸にガラスが入っている場合、多くは面材に開けた穴へガラスをはめ、細い樹脂の見切り材や接着で固定されています。押縁がない、あるいはあっても外すことを想定していない納まりです。無理に外しますと面材が破損いたします。また内部が空洞のため、ステンドグラスの重量を支える強度が足りないこともございます。

道具を使わずに見分ける、四つの方法

一.ガラスの周りに、細い棒状の部材があるか。最も確実な見分け方です。ガラスと枠の境目をよくご覧ください。ガラスの縁に沿って、幅一センチ前後の細い棒が回っていれば框戸の押縁です。角の部分で棒同士が斜めや直角に突き合わさっているのが見えます。一方フラッシュ戸は、ガラスと面材の間に樹脂の細い見切りがあるか、あるいは何もなくガラスが直接面材に接しています。

二.ドアの側面(小口)を見る。ドアを開けて、厚み方向の面をご覧ください。木目が縦に通り、上下左右で木材の継ぎ目が見えれば框戸です。フラッシュ戸は、小口に薄いテープ状の材が貼られていて、継ぎ目のない一枚板のように見えます。

三.ノックしてみる。ドアの中央付近、ガラスのない板の部分を指の関節で軽く叩いてください。「コンコン」と軽く響き、中が空洞だと分かればフラッシュ戸です。框戸の鏡板は無垢材や厚い合板ですので、詰まった重い音がいたします。

四.重さで判断する。開閉してみて明らかに軽い場合はフラッシュ戸の可能性が高くなります。框戸は木を組んでいる分、確かな重量がございます。

フラッシュ戸だったら、あきらめるしかないのか

いいえ。フラッシュ戸でも、方法は三つ残ります。

一つめは、既存のガラスの室内側にステンドグラスのパネルを重ねる方法。元のガラスに手を触れないため、面材を傷めません。取り外して元に戻すこともできます。二つめは、ドアそのものを框戸に交換する方法。費用は上がりますが、意匠の自由度は最も高くなります。フラッシュ戸は経年で表面の突板がはがれてくることも多いため、更新の機会とお考えいただくこともできます。三つめは、ドア以外の場所をご検討いただくこと。その部屋の小窓、廊下側の室内窓、階段の壁面など。「光を通したい」という目的であれば、ドアにこだわらないほうが良い結果になることもございます。

どの方法が適するかは、後付け施工のページで工法別に整理しております。

框戸でも、確認しているもう一つのこと

框戸だからといって、お写真を見ずに「できます」とはお答えしておりません。押縁の有無に加えて、次を確認しております。

溝の深さ。ステンドグラスは一般的な板ガラスより厚くなりますので、溝が浅いと納まりません。押縁の留め方。ネジや釘であれば外せますが、接着されている場合は框戸でも取り外せないことがございます。ガラスの寸法。既存の開口に図案が納まるかを確認いたします。

いずれも、ガラスの縁に寄ったお写真一枚で判断できます。採寸も図面も必要ございません。

ご自宅のドアが、どちらか分からないときは

正面から一枚、ガラスの縁に寄って一枚。お送りいただければ、框戸かフラッシュ戸か、そして交換できるかをお答えいたします。ドアへの施工全般についてはステンドグラスドアを、費用の考え方については価格をご覧ください。まずはご相談・お見積もりより、お気軽にお声がけください。

FAQ

よくあるご質問

相談前に図面は必要ですか?

図面がある場合は、建具寸法、平面図、立面図をご共有ください。図面が未確定の場合でも、参考写真や設置予定場所の寸法をもとに初期相談が可能です。

アトリエの見学は予約が必要ですか?

いいえ、完全予約制ではございません。定休日以外は営業しております。

ただ、現場や打ち合わせで留守にしていることがございます。ご来店の前にご一報いただけると確実です。お電話でもメールでも構いません。

アトリエでは、制作中のもの、ガラスの在庫、英国ヴィクトリア時代のアンティークの実物をご覧いただけます。

寺社仏閣の案件も相談できますか?

可能です。空間の歴史性や光の入り方を踏まえ、慎重に計画します。

Case Studies

関連する施工事例

階段室の欄間に納めたステンドグラス。木枠のなかに、黄色い花と渦巻く葉を絵付けしたヴィクトリア調の意匠を、ピンクと緑の色ガラスで囲んで構成している

京都府 階段室の欄間ステンドグラス

英国ヴィクトリア時代のアンティークステンドグラスを気に入られたものの、納める窓がありませんでした。階段の吹き抜け部に欄間を新設し、同じ年代のガラスで寸法を広げて納めた京都市の施工事…

改装後の洋食店エントランスを正面から見た様子。白い壁と無垢材の枠に替え、左にオリーブの鉢、右の壁に背面から照らしたステンドグラスを掛けている

京都府 洋食店エントランスのステンドグラス

商業ビルに入る洋食店で、エントランスのステンドグラスを制作・設置した施工事例です。名物のオムライスからフライパンと卵をモチーフに起こし、外光の入らない場所のため背面にLEDを納めま…

Journal

関連する専門記事

Contact

図面段階から、光の計画をご相談ください。

当スタジオでは、こだわりの住宅・マンション・別荘・商業空間・寺社仏閣に向けた完全オーダーメイドのステンドグラスをご提案しています。建具寸法、平面図、立面図、参考写真をご共有いただくと、より具体的な検討が可能です。