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リビングドアをステンドグラスにすると、玄関と廊下はどう変わるか

マンションの玄関を開けると、薄暗い廊下の奥にリビングのドアがあります。ここをステンドグラスドアにすると、玄関に立った瞬間にリビングの光を透かした色が見えます。ドアから制作をお勧めする三つの理由もご説明します。

マンションの玄関を開けたとき、目の前に何が見えるでしょうか。多くの間取りでは、薄暗い廊下がまっすぐ延びて、その奥にリビングのドアがあります。

この位置関係が、じつはとても効きます。リビングのドアをステンドグラスドアにすると、玄関を開けた瞬間、廊下の奥にステンドグラスが光って見えます。リビングの窓から入った光が、ドアの色ガラスを透かして玄関まで届くからです。

ご相談をいただくとき、多くの方はリビング側から見た印象を思い描いていらっしゃいます。けれども実際に住まわれてから「変わった」と言っていただけるのは、たいてい玄関と廊下の側です。

玄関を開けた正面に、光が見える

マンションの玄関は、外に面する窓を持てません。玄関ドアは共用部分ですので、そこにステンドグラスを入れることもできません。つまり玄関そのものを明るくする手立ては、ほとんどないのです。

そこで視点を変えます。玄関を明るくするのではなく、玄関から見える場所を美しくする。廊下の突き当たりにあるリビングのドアは、玄関に立った人の視線がまっすぐ向かう先です。ここにステンドグラスがあれば、扉を開けた最初の一秒に、色のついた光が目に入ります。

ご家族が帰宅したとき。来客をお迎えするとき。玄関で靴を脱ぐわずかな時間に見えているものが変わります。玄関の印象は、玄関そのものだけで決まるわけではございません。

廊下は、日本の住宅でいちばん暗い

間取りを思い浮かべていただくと分かりやすいのですが、廊下にはほとんどの場合、窓がありません。外壁に面していないためです。居室を優先して配置すれば、動線は建物の内側に残ります。

その結果、昼間でも照明を点けなければ歩けない廊下ができます。ここで効くのが、すでに光が入っている部屋から、光を分けてもらうという考え方です。リビングには大きな窓があります。その光をドアを通して廊下側へ抜けさせる。壁を壊す必要も、窓を新設する必要もございません。

なぜ、透明ガラスではいけないのか

「光を通したいだけなら、透明なガラスを入れればよいのでは」——もっともなご指摘です。実際、それでも明るくはなります。

ただ、透明ガラスのドアはリビングの中が見えてしまいます。くつろいでいる姿、散らかった机、テレビの画面。ドアには仕切るという役割があるのに、それが働かなくなります。すりガラスにすれば見えなくなりますが、今度は光が拡散するだけで、面としてはのっぺりとした印象になります。

ステンドグラスが向いているのは、この二つを同時に解けるからです。色ガラスと型板ガラスを組み合わせれば、視線は遮りながら、光は通せます。しかも通ってきた光には色がついています。廊下の白い壁に、淡い色が落ちます。

ガラスの交換より、ドアそのものを作ることをお勧めします

既存のドアのガラス部分だけを入れ替える方法もございます。ただしリビングドアに関しては、ドアそのものを新しく制作して交換するほうを、当スタジオではお勧めしております。理由は三つあります。

一.いまのドアは、木ではないことがほとんどです

タワーマンションを含めた高級マンションであっても、室内ドアの多くは圧縮した木材や紙を芯にして、表面に木目のプリントシートを張ったものです。木のように見えますが、目に触れている表面は木ではありません。

ふだん本物の木の家具に触れていらっしゃる方は、この違いに気づかれます。手をかけたときの質感、経年での変わり方、そして何より佇まい。せっかくステンドグラスを納めても、建具そのものが安価に見えてしまえば、全体の印象は上がりません。

当スタジオの室内ドアは、表面にオーク突板材やマホガニー突板材を用います。突板は木を薄く挽いた本物の木材ですので、プリントシートとは手触りも、経年での変わり方も違います。構造そのものは軽さを保つためのフラッシュ構造ですが、目に触れ、手が触れる部分は本物の木です。玄関ドアの場合は無垢材で制作いたします。

意匠も、既製品の延長では考えません。框(かまち)の見付け寸法、鏡板の彫り、面の取り方まで検討し、英国のアンティークドアのような佇まいに仕上げます。ステンドグラスと建具が同じ時代の言葉で語る状態になって、はじめて空間として成立いたします。

二.ステンドグラスの大きさを、自由に決められます

既存のドアにステンドグラスを納める場合、いま開いている穴の寸法が、そのまま図案の制約になります。細長い縦スリットのドアであれば、細長い図案しか描けません。

ドアから制作すれば、この制約がなくなります。ガラスをどこに、どの大きさで入れるかを先に決め、それに合わせて建具を設計できます。「この図案を入れたい」から始められるということです。大きく取ることも、あえて小さく絞って一点の輝きにすることも選べます。

三.取り付けは、数時間で終わります

「ドアごと作る」と申しますと大がかりに聞こえますが、実際は逆です。既設のドアとまったく同じ寸法で制作いたしますので、既存の枠はそのまま活かせます。枠を壊す必要も、壁に手を入れる必要もございません。

当日の作業は、古いドアを外して新しいドアを吊り込むだけです。数時間で完了いたします。お住まいのまま施工できますので、仮住まいのご用意も不要です。

ガラスだけを入れ替える工事と比べて、現場での作業はむしろ軽くなります。工房で作り込んでから持ち込むためです。

京都府のマンションでの事例

京都府内のマンションで、まさにこの方法で施工いたしました。既設のドアのデザインが物足りず、お手持ちのアンティーク家具と調和する空間にしたいというご相談でした。大規模な工事はせず、既存の枠を活かすことが条件でした。

既設と同じ寸法でオークのドアを新たに制作し、英国ヴィクトリア時代のステンドグラスのデザインをアレンジした図案を納めました。希少なロンデルガラスを配し、一部には当時のアンティークガラスを用いることで、新しく作りながらも時を経たような深みのある光を宿しています。

くわしくは京都府 リビング用ステンドグラスドアの制作・設置をご覧ください。施工前後の写真もございます。

時間帯で表情が変わる

室内ドアのステンドグラスには、玄関にはない面白さがございます。光の向きが、一日のなかで逆転することです。

昼間はリビング側から廊下側へ光が抜けますので、玄関や廊下に立つ人が色を見ます。夜になり、リビングの照明を点けて廊下の照明を消せば、向きはそのままです。逆に廊下側だけ点いていれば、今度はリビングから見た表情になります。設計の際は、どちらから見る時間が長いかを先にうかがっております。ご家族の生活時間によって、濃い色をどこに置くかが変わるためです。

お子様がいらっしゃるご家庭へ

リビングドアは、家のなかで最も開閉される建具です。小さなお子様がぶつかる可能性も、他の建具より高くなります。

当スタジオでは、ステンドグラスを合わせガラスにする加工に対応しております。二枚のガラスの間に中間膜を挟む構造で、万一割れても破片が飛び散らず、膜に留まります。自動車のフロントガラスと同じ考え方です。強化ガラスとの組み合わせも可能です。

安全な仕様にしても、ガラスの色や質感、ケイム(鉛のリード線)の見え方はほとんど変わりません。安全のためにデザインをあきらめていただく必要はございません。詳しくはステンドグラスドアをご覧ください。

ご相談から設置まで

リビングのドアを閉めた状態の正面写真を一枚お送りいただければ、ご提案が始められます。玄関から廊下越しに撮った写真も添えていただけますと、開けたときにどう見えるかまで検討できます。マンションの室内ドアは専有部分ですので、多くの場合は管理規約上の問題になりません。

費用の内訳は価格に、既存住宅への工法は後付け施工にまとめております。まずはご相談・お見積もりより、お気軽にお声がけください。

FAQ

よくあるご質問

相談前に図面は必要ですか?

図面がある場合は、建具寸法、平面図、立面図をご共有ください。図面が未確定の場合でも、参考写真や設置予定場所の寸法をもとに初期相談が可能です。

アトリエの見学は予約が必要ですか?

いいえ、完全予約制ではございません。定休日以外は営業しております。

ただ、現場や打ち合わせで留守にしていることがございます。ご来店の前にご一報いただけると確実です。お電話でもメールでも構いません。

アトリエでは、制作中のもの、ガラスの在庫、英国ヴィクトリア時代のアンティークの実物をご覧いただけます。

寺社仏閣の案件も相談できますか?

可能です。空間の歴史性や光の入り方を踏まえ、慎重に計画します。

Case Studies

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当スタジオでは、こだわりの住宅・マンション・別荘・商業空間・寺社仏閣に向けた完全オーダーメイドのステンドグラスをご提案しています。建具寸法、平面図、立面図、参考写真をご共有いただくと、より具体的な検討が可能です。